無彩限のファントム・ワールド 12話 「母は帰りぬ」 感想
無彩限のファントム・ワールド
12話 「母は帰りぬ」 感想
能力を奪うエニグマの脅威。
三話のような戦闘における夕陽の撮影の仕方はこだわっていると感じられる。
また意味合いも違っており記憶の中の美しい夕陽というよりも、赤い警告ランプのような使い方になっている。夕陽の色が雲に隠れてしまうというのも絶望と敗北の色を濃くしていた。
展開も変われば画面も変わる。以前のおだやかなファントム達とは違うと明確にうちだすことができていた。
そしてエニグマ騒動が一旦終わり、母さんが帰ってくる。
終わり前回の晴彦の家族への想いが語られた後なので、晴彦の甘えぷりに違和感を感じることなく入っていけるようになっていた。
母さんと過ごす日常を伝えるためにギャルゲー細胞が活性化してみんながデレル所は、ギャルゲー的にはおいしい。
それをやったうえでのホラー展開の後、晴彦の能力が奪われる。
緩急のある展開は一度緩んだ緊迫感を呼び起こすことに成功しており、
電話中に背後にあらわれたエニグマのホラー演出も上手くはまっていた。
三話はシルエットだったが今回、人型のファントムが直接舞先輩を殴り、スマフォを破壊した、ダイレクトな描写になっているのが印象的。圧倒的な悪意と痛みを相手に与える。
恐怖をさらに増幅させる効果を十分に果たしていた。
全体通して今回はテンポ良く話が動いてはいたけれど、要所要所でポイントを抑えたコンテや演出のおかげでスムーズに物語の波にのることができる。
脚本のどんな展開にも柔軟に対応していけていたのが素晴らしいね。
ここまで家族や子供目線で幻想を語ってきた本作が何を残してくれるのか。最終回楽しみた。