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うさペンの館

主にアニメの感想置き場です。

響け!ユーフォニアム2 鎧塚フィルム めざめた彼女のために記す

響け!ユーフォニアム2 鎧塚フィルム めざめた彼女のために記す

 

彼女はたった一人にためにあり続けている。だから僕も彼女のためだけになにかを記したくなった。

アニメ版のみ視聴。鎧塚先輩のすべてのカットを網羅はしてません。原作は読んでいないうえでの解釈となっています。

 

 響け!ユーフォニアム2 1話 「まなつのファンファーレ」

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頷くだけで特に語ることもなく自分の世界に。

淡白な音と共に、感情のなさを伝える。

一期のころとは違って表舞台にあがった彼女がどんな人物なのか。

第一印象を決める大切なシーンをみごとに表現しきっていた。

 

敗退後のバス乗車シーン。

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街頭を観客にみたて見続ける。まだあの輝く場所に想いを残している表現が面白い。

素足は彼女が心に鎧をまとっていないこと、見続けるのは涙をこらえる芝居。

諦めている生徒達を移すのは、諦めていない人との対比にもなっている。

「高校に入ったら金とろうね」

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「うん」

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悔しさを理解してくれることで、回想シーンに。

敗戦を受け入れるきっかけがなんなのか、そこにいたる過程が丁寧で好感がもてる。

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受け入れ、同じ道を進むことを確認することで、ホールや観客である街頭は遠ざかり、前を向けた。

物語の流れや感情が、映像の中に凝縮されているシーンでした。

 

 

 

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「仲悪いのその二人と」

気まずくなりそうなことをサラッと言い。部内の人間に気にもとめない鎧塚先輩。

興味のなさというのを伝えてから、感情のあるカットにつないでいく。

彼女の変化を描く上でこの興味のなさをワンクション置いてあるのが丁寧。

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のぞみと誓った優勝をするという気持ちがもうぼやけてしまった。

同ポジで、過去の気持ちの変化を伝えていたりもした。

 

このシーンは1話時点ではこう解釈しいるが、4話をみていると違う解釈することができる。

「また希美は話してくれなかったんだ」

 あの時は話してくれたのに、部活をやめた時のように話してくれない。

 一瞬希美が戻ってくることに期待して目を見開き、でもまた苦しそうに歯をくいしばり、ふさぎ込む。

先のお話の流れを汲み取ったフィルムにしあがっていた。

 それはもちろんここだけではない。

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「吐きそう、この音聞きたくない」

鎧塚先輩が希美ちゃんのフルートの音を聞いて気持ちが悪くなる。

心の中の牢獄に囚われていることが、鉄格子により代理描写されている。

という解釈で一話時点はいたけれど、けしてそれだけではないことが振り返ってみると解る。

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渡り廊下には希美ちゃんがいるからだ。

鎧塚先輩は会いにいこうとしたんだろうね。でもその時4話で言っていた現実を知って会えなくなった。

まだ吹きたい、続けたいと思っている気持ちを知って、自分だけ甘い汁を吸っているのに嫌悪感を覚えて吐きそうになる。

本当は希美ちゃんの音を聞いていたかったんだろうね。背を向けて意志を強くもっていない点からもそう思える。

4話の真相を知った上でみると解釈が違っていた。

 

 

 

響け!ユーフォニアム2 2話 「とまどいフルート」

久美子が鎧塚先輩が下にいることに気づかず、曲を聞いているシーン。

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「その曲やめて、嫌い」

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南中でのことを思い出させ、ミスタッチするほどに心がざわつく。

そのために木の隙間から久美子にタッチをする。

内側の世界にいる久美子と、外の世界にいる鎧塚先輩。境界でしきったりと世界の違いを伝える。

 

 

「しかたない、たくさんの人が悲しむのに」

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「わたしは苦しい。コンクールなんてなければいいのに」

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またリズムゲームでミスを連発することでの代理描写、ポンよりで顔を半分だけ移すことで不安な感情を演出する、

不安な描写を伝える基本のカットの応酬。この部分を丁寧にやってきてくれるので、本命となるカットへの期待を強めてくれていました。

 

 

「じゃあその、鎧塚先輩はどうして続けてるんですか」

「解らない、もうなにも解らない」

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希美がいた南中での負けた記憶を思い出してから

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北宇治で勝った記憶を思い出す。

ここで面白いのは二つの記憶を対照的にみせる観せ方。

銀が金に代わるのに気持ちは離れていく一方。だけど希美に対する気持ちはぼやけながらも強まっていく。

希美にいて欲しかったというのを伝えるうえで前提となる南中の記憶をいれる。

そうすることでカットとしてより自然な形になっている。

もしこれが前提となるカットである希美の思い出を伝える回想シーンがなければ、このシーンは大きく違う意味になっていたであろう。

その点しっかり解ったうえで、しかも効果的な演出にしてくれる。

これしかないというコンテと演出にしていたのが素晴らしかった。

さらに鎧塚先輩にとって希美=花ということが判明したことで、EDの持つべき意味合いが変わるのにも注目。

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 キスしたくなるほどに希美のことを思ってる。一筋で繊細で、想いの届け方が素敵。

久美子がわりとぶっこんできてるので、これでもバランス的に問題ないのがユーフォの百合の解釈ってきがするなぁ。 

 

響け!ユーフォニアム2 3話 「なやめるノクターン

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橋本コーチの激しい感情と、小さくうつむき悩む鎧塚先輩。

ロボットみたいって言われても、感情を表わしすぎるということはない。

ここでの芝居は北宇治のメンバーに対する申し訳ないという気持ちだけを伝えている。

オーボエを写すことで任されたという責任の認識、橋本コーチを介し自然と北宇治メンバーをフレームにおさめて視線誘導をしていることからそう思った。

今までの希美ちゃんに対する想いとはまた違うフィルムにする。その部分を適確に行えていた。優子ちゃんのきずかいもみられたりもするのも良い。

 

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 風呂あがりの時も同様にね。

 

 

 

響け!ユーフォニアム2 4話 「めざめるオーボエ

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楽しんでみてというアドバイスに揺れ動くことはなく、心ない返事をする。

揺れ動くことのないメトロノームを使用した代理描写は、音楽を題材にしてるこの作品だからこそ扱える手法。

 

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希美ちゃんと久しぶりに顔をあわせる鎧塚先輩。

目を見開いてから希美をみつめる。怯える芝居が素晴らしいね。

まぶたと眼球の加減。これひとつでも歯車がずれただけで成立しないのをようやるわ。

今までずっと視線誘導をこの4話かけて続けている決めのカットだけあって力の入れ具合がすごかった。

穏やかな日常がスピディーなカットのつなぎで崩れていくのもお見事。

 

 

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また最終的な科学実験室でのレイアウトとの対比にもなっている。

開かれた窓に、穏やかな希美ような晴れ晴れとした青い空。

窓は閉ざされ、心のベールを表現するカーテン。

前提となる変化をきっちりとこの最初の場面で伝えているのもこだわりを感じた。

 

 

逃げ出した鎧塚先輩を追って科学実験教室に。

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狭い空間に閉じこもる。閉じた心とそこから抜け出せない。そう言った意志が読み取れる。

 

 

 

「解らない、どうして吹奏楽部にいるのか。わからない」

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「じゃあどうして続けてるんですか」

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楽器だけが、楽器だけが、

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わたしと

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のぞみを

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つなぐものだから

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一枚めのカットは鎧塚先輩の強い苦悩であり本心であると解るように正面から迫る。

二枚目のカットは久美子の心情。本来強い気持ち届けるなら久美子本来写すか、主観ショットで鎧塚先輩をフレームの中におさめるんだけどそうしない。

どうしようもなさというのが、このワンカットあるだけで伝わり、やっぱりここがないと物語の流れがおかしくなる重要なカットでした。

3枚目のカットからは、台詞にあわせてカットを切り替えることで、より強い意志表示になっている。背を向けているのは、そのつながっていて欲しいという願いが後ろ向きな執着であるからかな。

 


「じゃあその、鎧塚先輩はどうして続けてるんですか」

「解らない、もうなにも解らない」

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後この台詞のやりとり、二話の問いかけをまた問い直してるんだよね。

どう変化しているのか。そう思ってみるとまた面白い場面であるのが魅力的ですね。

 

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優子ちゃんが鎧塚先輩を押し倒すシーン。

ここで面白いのは久美子を写してることかな。

普通だったら当事者である優子だけを写し続ける方法もあったはず。

ハンディプレ使って優子の激情まで表現してるんで。

でもそこであえてしないのはこのお話は北宇治高校吹奏楽部のお話。

優子の主張である吹奏楽部としてのあんたはどうだったのか。

遠い距離感でありながらも久美子を写しておくことで吹奏楽部としての主張がよりつよまる。

優子の背中に背負っているのは吹奏楽部。そう意味合いにもとれるレイアウトのしかたでした。

 

 「喜んでいいのかなぁって」

「良いに決まってる。良いに決まっているじゃん。だから笑って」

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影から光、スローモーションで心の解放を強調。脱力感のある芝居も上手い。

優子先輩の笑顔も良いね。

 

 

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堪えきれず鎧塚先輩が涙を流すシーン。

ハイライト回転を数回させてから、回転するたびに涙を流す。

溜めの演技をハイライト回転でさせてからというのと、表情の切り替えのさせかたが上手い。

それは何故かと言うと「喜んでいいのかなぁって」彼女が言った台詞を表現してるから。

このシーンは救われて泣いてるわけではない。

気がついたら泣いて、泣いていることを自覚して、瞳を閉じてぐっと口を歪ませてその泣いている理由を噛みしめる。

語らずとも、鎧塚先輩の眠っている感情を伝えきっていたのが本当に素晴らしい。

 

 

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最初に希美を捉えるカットは視線を強調。

この段階ではまだ気持ちが隠れている。口元を写さないことで0の状態だと解る。

これからどうなっていくのか、そんな期待を演出している。

 

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カーテンで覆われている鎧塚先輩とカーテンで覆われていない希美先輩との対比。

そうしてから覆われているカーテンを徐々になくし、最後に真相を聞いた時には鎧塚先輩の心を覆うカーテンがなくなり、物語の流れに沿っている。

 

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涙のときにはまた覆いかくし、細かく分割されていた。

 

「わたしずっと避けてた。勝手に思い込んで。怖くてごめんなさい」

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もうしわけない気持ちを伝えながら鎧塚先輩が涙を流す。

吹奏楽部での日々を喜んでしまう自分に気がついた時とは違う涙の表現。

大粒であり、頬から鼻先をつたって涙がしたたり落ち、涙が落下する部分まで写す。

一瞬ではなくて、涙がどこまでも残り続ける。

こぼした時の美しい涙とは違って、こっちのほうが泥臭くも感じるね。それだけ鎧塚先輩のこの涙が苦しいものだと解る。

一期の12話とも違う表現。涙の描きわけができてるのが改めてすごいと思った。

 

「聞いたよみぞれのソロ、かっこよかった」

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「本当?」

「本当に決まってるじゃん」

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希美ちゃんがあの時一緒にいてくれた。

一番聞いてほしかった音楽を届けられていたことを知り、もう一度強く光が心に射し込む。

どの部分で鎧塚先輩の『希美』が叶ったのか解るカットだった。

想いが実は届いて嬉しい、報われてたんだ。

恋人同士って感じで鎧塚先輩、まじ鎧塚先輩なシーンでもあるんだけどね。

希美ちゃんもイケメンだし、惚れ直すのも解るなぁ。

 

 

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楽器であるオーボエがわたしと希美を繋いでいてくれた。

大切なこの瞬間、その余韻をしっかりと残してくれる。

「楽器だけが、楽器がだけがわたしとのぞみをつなぐものだから」

あの時の後ろ向きな執着が変化し、希望に変わっている。

彼女が『望美』ではなく、『希美』なのだと個人的には一番強く感じたシーンでした。

 

 

「なんかさぁキューンとしてさぁ、聞きたいなぁ、みぞれのオーボエ

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カットごとにわけで急速パンさせる。

二人を同じフレーム内にいれてもいい場面なんだけあえていれない。

奏者と聞き手。音楽を届けるってそういうこと。同じ吹部ではないというこも伝えている。そこまで考えていないと生まれないカットなんでまたまたすごいと思った。

キューンとその音に合わせてのカッティングにもなってるのも良い。

 

「わたしも聞いて欲しい」

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笑顔になって欲しいとあえて言わずに、わたしの一番したいと思ってくれることを希美が言ってくれた。

だからこそ鎧塚先輩が笑顔になる。

必死になってくれた優子ちゃんとの違いがくっきりとでているシーンでもありながら、その彼女の純粋な想いが美しかった。

鎧塚先輩も麗奈と同じように自分を曲げない。どこまでも届けたい人のためにあろうとし、一人の音楽家として表現者として尊敬できる。

音楽もなにかを表現することも一人ではできるけど、心を響かせるものを生みだすには届けたい人のことを考えることが大切になってくる。

その大切な部分を伝えてくれるのが嬉しい。彼女の笑顔みれて嬉しい。そう思えるシーンでもあった。 

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この物語を締めくくるカットはフルートとオーボエ

二人の関係が再び元に戻り、これから次の曲を奏でていく。

鎧塚先輩の物語を締めくくるにふさわしいカットだった。

演技、演出、コンテ、作画、動画、撮影、その他もろもろ、熱量が半端なく、どのシーンもだいたい解説できるって、すごいな、本当すごかった。

鎧塚先輩は好きなキャラクターだ。これから出番は少なくなるんだろうけど、その気持は変わらない。今後の活躍も楽しみにして待っていたいですね。 

 

 

鎧塚先輩がなにを伝えていたのか。僕なりの解釈ではありますが、鎧塚先輩の新たな魅力にきずいていただけたら嬉しいです。

ここまでご閲覧していただきありがとございました。