うさペンの館

主にアニメの感想置き場です。

放課後のプレアデス 感想

放課後のプレアデス 感想

一話はyotube版から引用も多く、なんとも判断ができない。

二話はまだまだ導入といった感じ。

yotube版を5回以上みて好きだったぶんもあり、予想以上にハードルを高くあげて視聴してた。

コミケで菊池監督がイメージボード集みたいなの買うほどだったしね。魅せ方とテンポの良さはyotube版だった。このときは。

あまりにも好きになった、もしくはなりそうな作品は一歩引いてみすぎることが最初は多々ある悪いクセが視聴するとき出てたかも。

純粋に楽しんでいたが、このアニメまだ絶対なにか隠してるだろみたいな、そんな感じ。

 

 

 

3話から急変、マリンスノーの圧巻の情景から竜巻の中に入ったかけらをとり。そこから水着のまま宇宙遊泳。

そこはまだ無重力じゃなくて落下するとかそんな物理的法則どうでもよくなった。地球のオーロラ、太陽での光と影。このアニメ本気で宇宙に取り組んでいることが明らかに解りテンションがあがる。深海から宇宙にいくテンポの良さもすばらしいと感じた。

 

 

放課後のプレアデス
4話

ヒカルの現実主義的な面は、宇宙にこれから望むもの。そんな未来の姿をほうふつとさせる。

「どんな花もどう咲くかわかっていたら、みるのをやめてしまってもいいのか」
「どんな花も咲くまではわからないよ」

スバルとミナトのやりとりは、ヒカルの話だけでなく、今後の未来の二人の暗示でもある。

静寂で星のはなつ音しかならない世界なのに、音が響く。

音符が地球からはなたれているのが、すごい幻想的だった。ああいった表現がおもいつくものなのかと驚いたな。

詩的でお菓子の星というユニークな発想をもち、音楽が宇宙をかなでる。

自分の理想的なSFを表現してくれた。

脚本が3人なのも驚いた。

 

放課後のプレアデスの記事
http://d.hatena.ne.jp/CloseToTheWall/20150520/p1
この、理科的な詩情ということでは特に四話「ソの夢」が突出していて、音楽が全体のキーになっているばかりか、話全体を非常にメルヘンに仕立てていて、SF的ロマンとメルヘン的世界観をうまく溶け合わせていた。聡明で天才肌な子の、小さな頃からの小さいけれども大きな悩み、を宇宙的スケールで描き出す、近年まれに見る傑作。よく、宇宙に比べれば人の悩みなんて小さい、というけれど、本作はそういう「アフリカに比べれば日本の貧困は理論」ではなくて、宇宙スケールのなかで子供のちいさい悩みを解きほぐしていく、とても優しい作品になっているのがいい。脚本がもっとも秀逸なのがこの回だろうか。かなり練り込んだのだろう、三人連名の脚本はあまりみたことがない。セリフのやりとりも印象的。


放課後のプレアデス5話
土星の輪 
氷の粒のような表現
横幅7万キロ 地球ごこぶん
土星のリングにサイズや密度が違うものが入ったら 模様ができる
プロペラ模様とよばれるもの

話のスケールがでかいのと、宇宙の描写を常に丁寧なのが好感がもてる
物理法則を無視してるけど、利用する所は利用する。夢があっていい。

 

土星の場面は国立天文台に協力してもらってシミュレートして、それをCG班が総出で一週間かけて作ったとか。


これまで土星の環は,氷の粒がまばらに分布するような描像で描かれることが多く,ウェイク構造をしっかり描いた土星の描写はあまりなかったので,研究者自身もどのようなアニメーションが出来上がるのか,とても楽しみにしていました.#プレアデス
2015-05-09 17:44:39 via Twitter Web Client
4d2u
放課後の #プレアデス 第5話では,4D2Uコンテンツに使ったデータよりも更に新しい,最新の土星リングの計算データが使われていました(計算は国立天文台の道越さん,可視化はvasaの武田さん).実際土星の環にあると考えられる,様々なサイズの氷粒子を仮定してその運動を計算しました.
2015-05-09 17:42:46 via Twitter Web Client
sae980
第5話の最後は総力戦でもありましたが、既にTVアニメとしては十分な完成度になっていたものの、制作期間中に新たに判明したことや海外の研究者とのやり取りで分かったこと等々を反映させるために納品直前の一週間で大規模な手直しを行ったためです URL
2015-05-11 20:27:35 via Twitter for Android
sae980
つまり既に完成していたものを、更に最新の考証に近づけたということです。自分が号令をかけたというよりも、まだ可視化(映像化)されていないものを作っているという高揚感と、まさに毒を食らわば的な衝動で現場自体が動いていた様に思えました。 URL

 

今まで誰も挑戦したことのないことをアニメでやった素晴らしい作品。

あの場所でこんなことをしてみたい、あの場所に言ってみたい。そんな意志が

常に感じられすごい素敵だ。

いつきの本当の自分をだしたい。

そんな自分にはないかけらをつかみとった後の、男の劇はすごく感動できた。

 

 

 


放課後のプレアデス
6話
宇宙船が地球規模ですごいスペオペしてた。
Aパート
地球表面の表現が毎回すばらしい
日本が大きく見える夜景。太陽の光
学校の校舎でシャフトで走ったとき、窓からさす光のこもれびの入れ方がセンスあって好きだった。

 

(本放送時のこの作品の予想)

みなとくんが変身した姿というよりかは、かげのもう一人の自分
みなとくん救うために宇宙船の欠片を集めている可能性もあるのかな
みなとくんは元々は魔法使いで、最後の力をふりしぼり、スバルたちのシャフトを変化させた

「生きるということはなにかを日々選びつづけることだ。生きれない僕たちは選ばないことを選んび、宇宙から外れた存在になった。そうすることで実質的に時を止めた」
ここはみなとのことだね
みなとという輝きを見つけてあげること
なんにもない所から可能性をみつけてあげるていうのは今後在るだろうな

だが事故がおきた
なぜかはまだ説明されてない。
願望が強いみなとの生まれた理由かな

事故がおきたことにより、宇宙の理から逃げられなくなった
生死にかかわってしまった
不老不死の魔法の開発なんてスケールもありえる

意外と当たってる面もあるというか、解るようにしてくれている。

 

 

放課後のプレアデス
7話
根っこがのびきらないと育たない。代理描写。
すいせいにおされて飛ぶという発想もすごくいい。

太陽のプロミネンスがふつくしい

なぜ転校をしたか?というお互いいらだちと仲直りまで。

なにかが、誰かが変わっていくことを受け入れる。あおいとすばる。

変わってしまったミナトにいちご牛乳を差し出すスバル。

その2つが折り重なった綺麗にまとまったお話でした。

 


8話

ななこがみんなで見たかったと思い、自分でなずけた星の名前を呼んだら、声がとどき約束どおりきてくれた。欠片をとるともとの時間にもどる。

ななこが願った、もどりたい時間に
そこで文化祭やイルミネーションにいく。ななこがいるその時間を過ごしたいみんなのおもいがそうさせた

このまま離れ離れになって別れてしまうのななこの気持ちを丁寧におえた話。

地球にいるすばるたちと、ななこのぎゃぷがにくらしいぐらいに良かったな。

地球時間のカレンダーがすごい勢いで動いていくシーンや
ドライブシャフトの速度によってスターボウの見え方が変わったり、
ななこの光が赤方偏移する演出がすごくいいね。

時間を越えて、宇宙のロマンをたっぷりと感じられる、素晴らしいアニメ。


放課後のプレアデス
9話

A

魔法の力で、プラネタリウム感覚で星をみる
違う星の星座を、違う星の太陽。宇宙はこんなにも違ってみえる
プレアデス星団をみる
銀河の衝突、アンドロメダ銀河をみる。

そして、僕らの銀河の中心。もっともにぎやかな場所。

「星が多すぎて宇宙が黒く見えない。宇宙はどこまで広がっているのかな。どこまで続いているのかな」

視界を埋めつくしている星ぼしに圧倒され、不安そうにつぶやいた。
「すばる?」
みなとは、心配そうに声をかけた。不安そうにスバルがしていたのもあるが、握っている手が震えていたからだ。
「はてがなくて少し怖いきもする」
スバルはみなとのほうを振り返り、かぼそくつぶやいた。
「ごめん」
みなとがぼっそりと謝った。
「ふぇ! そうじゃなくて楽しいよ」
スバルは慌ててみなとくんの両手を握り安心させるように声を届けた。こんな綺麗な世界につれていってくれたのに、不安に思っているなんて思われたくない、そう思うと握っている手にきもちをつたえるように、強く握り直した。
「僕はさっき君につめたくしてしまった。いや、僕自信が怖がっているだけなのしれない」
「だったらみなと君も楽しんで」
スバルは不安な気持ちをやさしく包み込むように語りかけた。

その場所でみてまま感じたままを表現しきった台詞の応酬で素晴らしい。

 

「例え忘れてしまっても、この景色をみることに意味があると思うかい?」

 

病室でプラネタリウムに照らされる中、星について語る。
このときに手をにぎっているカットをいれ、つながりを強調した
初めての出会いを印象づける。つながりを印象づける。

 

病室のできごとを思い出し、まぼろしでなかったことを嬉しくミナト

変えらなかったら覚えていられる、なかったことにならない
自分が魔法使いだとつげる
その事をきいて超新星爆発の中でキスをする
光り輝くその爆発のなかで

戻ってきた時に、わけもわからずに泣いてしまうスバル
最後の締めは王道。だけどその過程がロマンチックで素晴らしいんだけどね。

超新星爆発の光のなかでキスっていう状況を作り出せるっていうのがすごい。

 

かけらがミナトの周りをまわりそれにあわせてぐるとまわす
時が動き出したときの定番演出

 

宇宙の銀河をめぐる壮大な話をロマンチックなラブロマンスできっちりしめて、ドキュメンタリーをみせつつもドラマもやるという、両独なことを短い尺のなかでやってのけれる。
たとえ記憶は消えて見続けていてくれる、残っているから前に歩みだせる
時をうごかせるって感じなのかな。

光の速さを超えて情報を伝えてはならないというまっとうな物理法則が、ふたりのめぐりあいをなかったことにする儚かったな。また、限られた時間を思わせる演出に「放課後」感が出ていたのは良かった。


放課後のプレアデス
10話 キラキラの夜

「僕達の宇宙船は物質でもあり、エネルギーでもあり、あるいはそのどちらでもない。いわゆる重ね合わせの状態なんだ」
「重ね合わせ?」
「そう可能性が幾重にも重なりあった存在。そういう意味では人間は僕等の宇宙船に似ている。特に幼ければ幼いほど、なにものでもないものはたくさんの可能性の間で揺れ動いている。そんな心の中ではぐくまれ、やがて宿主がなにものかになると、失われた可能性と共にその心からはじき出されたものがこのきらきらだ」
「はじきだされたらどうなるの?」
「なにものかになることなく消えてしまうね」

可能性の欠片がはじきだされたものが、エンジンの欠片。星の欠片。
事件の時、可能性の欠片がはじけとんだということになるのかな。

 

死んだ星の欠片が咲く。

消えることを望んているミナトに、魔法使いではなくスバルだと解らせるために生命をかけてミナトに訴えかける
その想いにこたえてミナトくんがスバルのことを思い出して助けにいく。

スバルはほしのかけた集めが終わって欲しくない、いつまでもスバルがいることを願うことで自分自身を呪っている。

蝶々になってきえていって星の欠片になったシーンがすごく素敵。


今回はミナト君周りの説明回だったね。魔法使いになったミナト君と、病院で寝ているスバルが違うこと。魔法使いのスバルの呪いが闇の魔法使いをつくりだした。その分スバルと話す尺が短いのはしかたないかな。
ミナト君が星の王子様ぽい格好だった。
だけどかけらを集めで外に連れ出すあたり、プレアデス星人の方がきままな星の王子様ぽかった。

 

 


放課後のプレアデス
11話

それぞれが別の道を別れる。
そのために、テラスで葵とスバルの見ている方向を決定的にかえた。

 

ダークエネルギー、宇宙を膨張させている原因にもなっているこのエネルギーを使って欠片を捕まえる。」
科学的な説明がはいっていいね。宇宙白熱教室、以前みてた宇宙膨張論とか面白かった(関係ある用でないね)

 

見知らぬミナトの知り合いが、見つけてくれた花。

だれもが観測者になれる。なにかが決まっていても可能性がある。

 

バナナだったものが、いちご牛乳にかわる
可能性が残っていると確信した。なにものでもない、確定的ではないと思えたから喜んだ。

 

校舎の太陽の逆光がスバルの心をあらわしたかのように輝く。
 スバルは展望室のという扉の前で、胸に手をあてながら大きく息を吸い込んでから、ミナト君と逢いたいと強く願ってから扉を開ける。
 だが扉の向こう側の景色はかわらず、きょとんと肩をなでおろし落ち込んでしまう。
 だけどスバルはあきらめない。扉を閉めてからもう一回扉を開けた。
このシークエンスの芝居が好き。何度も開け閉めする所が特に息をすいこむときの演技がいい。

 

なにものかになってしまった、スバルにも魔法が。

個人的には黒より、白い魔法の衣装の方が好き。

話の根幹としては関係なことだけど、好き好きとしてね。

 

 

 

放課後のプレアデス
12話

アバンで素直に星が見えない世界に驚く。

そんな発見一つ一つが、自分の心にはものすごい衝撃だった。


重力レンズ特異点ブラックホールのシュバルツシュルト境界面
美味しい用語がよりどりみどり。

 

だったらいま幸せにするといってみなとくんのくちびるを奪い、あおいたちが照れる展開
ブラックホールをぶつけあい、相殺して欠片をてにいれる熱い展開
原初の地球にたどり着いてそれぞれの道にわかれるその決意に感動する展開
この時のカット回しが明らかに視聴者にといかけるような形で、

ジュエルペットてぃんくるのラストを彷彿とさせた。
またそれぞれの道にわかれ、出会えた充足感

だんだんと枝分かれしていく可能性のかけらとの出逢い。
それは現実世界の私達にもいえること。
夜空の星をながめながら、だれかのことをおもう。
そんなことが素敵に感じられるラストでした。
放課後のプレアデス達がみせてくれる光は僕に届いた。

6人のなにものにでもなれる放課後は終わり、それぞれの光り輝くプレアデスのような星になった。。それが放課後のプレアデス

 

最後原初の地球をみるなんて予想は立てれなかった。すごいわ。

宇宙や科学の考察がものすごく丁寧にされた作品でした。
宇宙の描き方が総じてすばらしい。元の映像と比べて飛躍させてる
現実の表現になってる点もすばらしい

ヒカルは現実主義で、そこにはなにもないとあきらめた。

いつきは本当の自分を出すこと。

あおいは、なにかが変わることを

ななこは、誰かと別れてしまうこと。

これがスバルとミナトの物語と関係してきた。
すべてがつながった最終回。2015年で一番好きというより、自分を変化させた、色々なことに築けた素晴らしい作品だった。

 

 

 

 

他のブログや補足

特に気になった文は抜粋。

TVアニメ【放課後のプレアデス】感想と考察と 魔法少女x宇宙SF=無限の可能性の物語
http://shibayamablog.net/nijigen/17635/
放課後の魔法使いとしてエンジンのカケラを集める日々を通し、すばる達5人は自身のトラウマを克服してきた。ひかるは真実を知ること、いつきは自分を伝えること、あおいは誰かが変わっていくこと、ななこはいつか別れてしまうこと。各々の不安や悲しみ、自己否定は、すばるやみんなの言葉で得られた気付き、そこから選んだ自分自身の行動によって、どこまでも優しく取り払われる。

6話においてドライブシャフトは突然の進化を見せる。
初見では意味不明(!)だったこの描写も、10話で花の正体がみなとの集めた可能性の結晶だとわかってからはすんなり理解できるようになる。
(個人)
あの時点でも可能性をたくした描写がされたような気もするけど、個人的に

「ほら、よくここであいつと一緒にいたろ?」
「あいつって?」
「ほら、うちのクラスのさー、いつもぼやっとしたあいつだよー。えっとー……あれ、おっかしいな……名前が出てこない……」
思いもよらない遠くの星が、同じようにみなとを観測していた。
雑草が生えしきった花壇からあの花を見つけ出せたのは梶君のおかげだ。梶君は間違いなく本作の影のMVP。ありがとう梶君。
……まじめな話、ここですばるが「他人」に救われたという事実は、本作のメッセージ、ひいてはすばるのラストの台詞にも多大に関わっていると思う。


黒すばるはすでに何者かになった後で、なお変わろうとする意志・希望を持つことで、頭上に光なき星を宿す。ダークエネルギー同様、既存の科学では観測しえないが、確かにそこにある可能性。星の持つ引力ではなく、斥力……離れる力を持つ何か。「まったく新しい魔法」。

各キャラクターの個別回は、もとい個別回も、ひとつのハズレ回もない傑作中の傑作である。本筋やテーマとリンクしているのがまた素晴らしい。YouTube版からの4年間でどれほど徹底的に練りこんだのだろうか。
本作は単に科学・天文学方面での考証が重ねられているから良いのではない。重ねた考証を物語と接続し、見事に一体化しているからこそ、こうも魅力的に映るのだ。
ダイナミックな宇宙の情景と少女の心象を重ね合わせる手法には宮沢賢治を感じたりもする。心を直接揺さぶられるような感覚は文字通りの「感動」だった。これが映像媒体の力かと感服した。毎回私の精神が崩壊しそうだったというのは誇張のない本当の話だ。
個別回があまりに良かったため、9話以降の「縦の物語」に不安を覚えたりもしたが、それもまったくの杞憂だったのは上につらつら書き殴ったことからお分かり頂けると思う。10話で少年の一人称視点が飛び出してきたときなんかはもうね……

放課後のプレアデス』はSFと魔法と少年少女の心にどこまでも誠実な傑作ジュブナイルアニメだった。
6月末からは学研から児童書、8月にはSF作家・菅浩江先生がみなと視点(!)の小説を刊行されるが、どういったジャンル・枠組みにおいても通用するパワーが本作には詰まっている。
他の刊行書籍も含めて楽しみに待ちたい。Febri Vol29*5も素晴らしかった。放課後のプレアデス……ガイナックス最後の光……


おわり。
星を想って生きていきたい。

 


変わらないものを見つけるために ~放課後のプレアデス第7話『タカラモノフタツ 或いは イチゴノカオリ』読解~
http://n-method.hatenablog.com/entry/2015/05/23/204308


夜空の星を結ぶ魔法 ~放課後のプレアデス読解・感想~
http://n-method.hatenablog.com/entry/2015/06/28/215519
品のいいジュブナイルSFだったと思う。小中学生に届いてほしい


http://goo.gl/CUfCj1
嫌な言い方になりますが、2015年4月からのTVアニメをもって
この「放課後のプレアデス」という作品を看取るつもりでいました。

スバルの企画担当者が退社したことによるプロジェクトの遅延と凍結の危機。
ガイナックスからのスタッフ大量離脱と、それに伴う近年の元請作品の品質の低さ。
「期待したいけど、期待出来ない。だから期待はせずに、生温く見届けよう。」
そんな複雑な気持ちのまま放映を見始めました。

……正直、ここまで深い余韻を残す作品になるとは想像さえ出来ませんでした。

確かに、至らない点はいくつかあります。作画は立体的な造詣が巧く描けているとは言い難いし、
専門的過ぎる天文・宇宙描写や台詞とは裏腹に、昨今の主流である饒舌な作りをしていない為か
若い層を中心に『分かり辛い』という声もそれなりに聞こえました。

Youtube版自体も尺の都合とは言え決して分かりやすい作りではなかったし、
それを再構築したTV版の導入は、未見者を振るい落とす、ある種Youtube版を見ていること前提の作りだったようにさえ感じます。

しかし4年前に蒔かれた種は、時間と媒体を越えてしっかりと芽吹き、花を咲かせました。

贔屓目に見ても人を選ぶ作品です。もっと言えば世代を選ぶ作品かもしれません。
まさか2015年という時代に、2015年のガイナックスが、こういったアニメの作り方が出来るとは思ってもみなかった。

すばるたち登場人物の感情を言葉で書き、作画で見せ、内面の奥行きと移り変わりを演出で表現し、役者が魂を乗せる。
美術が世界を、3DCGが世界観をそれぞれ形作り、音楽がそれを後押しする。

個々の質で比べたら、過去にも同クールにもこれ以上の作品は山ほどあった。
だけれどこれは間違いなく、バラバラの個々の力が集まり、30分×全12話というフォーマットを遵守して作られた、集団作業としてのTVアニメーション
芯のある優しさと寂しさを兼ね備え、1話から最終話までぶれることなく細い線を手繰り合わせ1本の道を作った
佐伯監督はじめスタッフ・キャストの皆様に心からの拍手を送ります。

最終話以降の彼女らの未来は、決して希望だけの可能性ではないのだろうけれど、
一時交わった放課後の、あの儚くも賑やかな時間が彼女らの行く末の光になることを願って止みません。

 

放課後のプレアデス』はなぜ生まれたかーSUBARUとGAINAXの「スピリッツ」を考える
http://togetter.com/li/840322

 

オリジナル作品とはいえ1クールのTVシリーズとしては異例の長期に渡る製作期間でした。果たしてそれを有効に使いきることが出来たかという問題はありますが、「続き」を期待してくれた皆様、それを実現させる道筋を開いてくれた関係各位にはただ感謝するばかりです #プレアデス #sbr_gx


昨年の今日はちょうど第4話のシナリオの脱稿日でした。現場が作画インしたのがそれに先立つ5月。シナリオインは一昨年の10月。更に遡ると2011年2月にYouTube版が公開されたとき、極めて断片的なこの物語の全体像をきちんと描きたいと、強く願いました #プレアデス #sbr_gx


放送開始からの3ヶ月はもうあっという間としか言い様がありません。実質的に4年間が凝縮された3ヵ月ですから、はっきり言って濃すぎです。そこそこ薄めてもっとバランス良くスマートに作れたんじゃないかとも思いますが、それでも成るべくして成ったのがこの形です #プレアデス #sbr_gx


放課後のプレアデス」は少々変わった作品かもしれませんが、一方で似たような作品が現れることはそうそうないと自負しています(面白いとは言いません。それを決めるのは視聴者の皆様自身ですので)。というわけで、この奇跡の3ヵ月の結末をどうぞ見届けて下さい #プレアデス #sbr_gx
https://twitter.com/sae980/status/613603548086013954

 

天体による永遠――『放課後のプレアデス』について
http://d.hatena.ne.jp/CloseToTheWall/20150714/p1

 

 

勢い余って文章、というより最終話を手抜きな小説にしてみた。

意外と発見があって面白いけど、時間があほほど今回はかけすぎた。

 スバルがドライブシャフトに乗ってキラキラ輝く可能性の星をエンジンに加速し、ブラックホールの暗闇のなか欠片を追いかけているみなとくんを追いかける。
「みなとくん私達に協力して。みなとくんの力が必要なの」
「僕たちはまだ自分の目的を諦めたわけじゃない」
 必死に追いかけてくるスバルのほうに向いて、その提案をみなとは拒絶する。
「欠片一つも持たないでどうするつもりなの? このままじゃ落っこちやうよ」
 スバルはみなとくんを助けたい、その必死な想いを伝えた。
 だがそれでもみなとは受け入れない。たとえ欠片があったとしても、たとえ協力したからといって、ブラックホールの彼方に消えた欠片をとってこられるとはかぎらないからだ。
 スバルを巻き込みたくない、ミナトは振り切るように加速をつづけた。

(補足)テレパシーと声の切り替えが細かく、画面によって距離感が違いがここちいい。 

 「ブラックホールのなかに飲み込まれ、この宇宙から消えるというのならそれも悪くない。僕と同じく何者にもなれなかった星たちと、このまま••••••」
「だめ!そんなことさせない」 
 自分の中にある輝きの星をぶるけるかのようにシャフトをさらに加速させ、ものすごい勢いでミナトに近づいていくスバル。だが勢いをだしすぎて、流星がながれてしまうようにミナトの前を通りすぎてしまう。
「あ、あ、あ、ああ」
「おい! 何してる」
 ミナトはそんながむしゃらに自分に向かってきたスバルに戸惑い、焦りながらも追いかけてしまう。いや勝手に体が動いてしまっていた。
 勢いよく背中に体を押し付ける形で、強引にスバルの動きをミナトは止めた。
「ごめんなさい、うわぁ」
「う!」
 スバルはミナトに背中から抱かれていたことを、ミナトはスバルを助けてしまっていたことに動揺して声を漏らした。不器用な二人の星の重なりは重力のような強い結びつきさえ感じられた。
 スバルはみなとくんのマントを握りしめ、ドライブシャフトをさらに加速させる。
「よせ!」
「嫌!」
絶対に離さない、絶対にミナト君達の可能性を見つけたい。スバルは今手にした、すぐにでもこぼれ落ちてしまいそうな|可能性の星の欠片《ミナト》を離そうとはしなかった。

「大丈夫かしらスバルちゃん」
「スバルはあいつに六人目を任せるつもりだ」
「はぁ? だけどあいつはスバルを裏切ったんだよ」
 ヒカルの言葉に明確にあおいは言葉を返さなかった。私だってあいつを信用したわけじゃない。あいつは確かに私達を裏切った。けれどスバルはアイツを信じ続けている。だから私はアイツを信じる。ブラックホールの中に消えていた二人をただ4人はそれぞれの想いを抱きながら待ち続ける。

「すばる君にはわからないだろう。可能性すら与えられない僕等の気持ちなんて」
「わからない、わからないよそんなの。ただ私はいまこうして触れているミナト君の暖かさに消えてほしくないだけなの。ミナト君にあるさびしさもやさしさも、なかったことになんてしたくないの。宇宙を何度やり直しても、私の出会ったミナト君はたった一人だよ」
 スバルは涙を目に一杯貯め、ミナト君にやさしく微笑みながら告げる。幸せになれる呪文をかけるように言葉を放つ。
 やさしいスバルのぬくもちを感じながら、ミナトは彼女のやさしさに満ちた言葉を黙って聞いた。
「すばる、君もみただろう。現実の僕は言葉を交わすことすらできないかもしれない」
 けれどミナトはスバルの想いを聞いた後でも、自分が今置かれている現実を突きつける。いやそんな想いを聞いた後だからこそ、現実を突きつけた。引かれそうになる心の打ちを隠しことしかできないのだ。
「だけど私達は出会えたんだよ。出会ったんだから忘れたりしたくない。なかったことになんてできない」
「僕は……」
「ミナト君の本当の気持ちを教えてよ!!」
 スバルはどんな拒絶されても、想いを強く伝えるのをやめようとしなかった。
 ミナトはもう一度スバルを見つめなおす。
 ただ泣きながら必死に涙を浮かべながら共にいたいと言ってくれう少女の顔は、ミナトを照らす光の鍵。その鍵はミナトの眠っていた表情を呼び覚まし、笑顔に変えた。
「なにが欲しいとか、誰かといたいなんて、きちんと言葉にしたことないんだ」
 ミナトは開かられた扉から、自分の可能性を広げるための言葉を無意識に言っていた。
「だったら私が言う。私はミナト君と一緒にいたい。私がミナト君を幸せにする」
 ミナト君によりかかり強く自分の気持ちを届けた。それは自分の中の可能性を分け与える行為そのもだ。純粋な愛情そのものだった。
「君にできるはずが……」
「絶対にする! 今する!」
 割って入ったミナト君の言葉をかき消し、力強く叫びスバルは強引にキスをした。
 ドライブシャフトは二人の新たな可能性を祝福するかのように加速した。
 きらめくう星に負けないくらいの幸せと可能性に満ちた星をばらまきながら、とらわれそうになっていたブラックホールの暗闇から二人は脱出をした。
 
 その輝きは遠くから眺めていたあおいたちにも届き、ぐっと目をこらして観察をした。
 二人がキスをしている。
 その事実にいつきは「やだそんなぁ~」とあおいの目を隠し、ひかるとななこは「おほぉ~」とどよめき声をあげ、あおいは「ああちょっと!」と二人の姿がいつきの手によってみえない状態で、信じていたスバルとミナトの姿をいちはやく見たいと思っていた。
 「でか! 今度はなに」
うぅぅぅん!! 僕達の宇宙船だ。ぼくがここまでひきよせたんだ」
「なに、なに」
 あおいがいまだいつきが手によって目が隠され、待てと言われた犬が必死に抵抗するようにもがいている中、プレアデス星人がよびよせた星よりもブラックホールよりも大きな宇宙船が4人の頭上にあらわれた。
「壊れてるはずじゃ」
「壊れぱなっしさ。けれどこの機会を逃したら元も子もない」
「これは宇宙船」
「知ってるの?」
「あいつも勝負にでるつもりか」
 なんで知っているのか、あいつとは誰なのか、スバルはなにも解らなかった。だけどミナト君の表情からはおそれは感じられず、害があるものではないこと、それだけははっきりとは解った。
 その宇宙船の方角からあおいたちがやってきたので、スバル達はドライブシャフトにブレーをかけて合流した。
「みんな」
 スバルはまた戻ってこれたことを喜びながら声をかける。
 けれど4人からはなにも言葉が返ってこず、ただミナトとスバルを頬を染めながらぼーっと見つめると、いつきは恥ずかしそうに自分の目を隠し、あおい、ひかる、ななこは祝福するかのように、にやついた。
「もしかしてみんな今の、これは違っていて、違わないけど」
 キスをしている姿をみられたとこを確信し、スバルは手をあわあわとさせながらあたふたし、ミナトは顔を逸らして恥ずかしがった。
 あわい、あわい恋の受け止め方はどこか子供ぽく、壮大な宇宙の、しかもブラックホールを目の前にしておこなわれている行為としてはどこかちっぽけだったが、彼と彼女等の中においては壮大な一ページをめくっていることに等しい行為なのだ。
「急ごう。僕も一緒にいけばいいんだろう」
 ミナトは、あまりにも同様しているスバル放ってはおけなかったから、いやようやく冷静さを取り戻したから、自らが率先してスバルと共に同じ道を歩むことを選んだ。。
「うん!」
 スバルはミナト君と同じ道を歩めることを嬉しく思いながらおおきく頷き、仲間たちもその選択を喜んだ。
「なるほど、スバルを信じて君に欠片をたくすよ」
 プレアデス星人は敵だったミナトを信じ最後の星の欠片をたくした。
「なぁ、なんだ?」
「なんでそんな軟体生物みたいな姿になったんだ」
「なんの話だ」
「いいかげん思い出したらどうなんだ」
 馴れ馴れしくプレアデス星人に話しかけるミナト君を見て「ん?」とスバル達5人は首をかしげるような声をだした。
「君は僕のアルデバランだ」
 プレアデス星人はエルナトに変身した。

さすがに時間かけすぎなので省略。
エルナトに対して時を止めたことをあやまるミナト。
呪いをかけ、時を止めてしまった彼を強く抱きとめた。

「目には目を、刃には刃を、ブラックホールに対抗できるのはブラックホールだけだ。アクセルを開けば特異点を形成する」

「今宇宙船の六ヶ所に配置したの欠片は君たちのドライブシャフトと連動している。アクセルを開けば真空のエネルギーを利用し特異点を形成する。つまり6つのブラックホールの力でこの宇宙に引き戻すという寸法だ」

「僕達のブラックホールはこの宇宙船が支えているからおもいっきりやってくれ」
「光りだした」
「ホーキング放射。ああしてブラックホールのエネルギーを真空に戻しているんだ。このままひっくり返せ」

 

このときブラックホールがプレアデスの光に包まれている。
ホーキング放射 https://goo.gl/okWmRz
、ホーキングが存在を提唱・指摘した、ブラックホールからの熱的な放射のことである。

ブラックホールの描写は映像での利点がある。
天体観測を行うプレアデスだからこそのアニメでの映像の強み。

 

「なんの音?」」
ブラックホール同士の引き合いで船体がきしんでいるんだ。もう奥の手はない。このままやり切るしか」
「やるかやらないかしかないなら、やろうよ最後まで」
ヒカルは
「魔法使いでいるのも楽しかったけど、私達はそう決めたんだ」
アオイは
「最後の欠片、みんなで手に入れる」
ななこは
「やりとげるの最後まで」
いつきが
「周りの空間が耐え切れずに崩れだした。飲み込まれるぞ」
みなとが
「だめだよあきらめないで」
スバルが
ブラックホールが広がり続け飲み込まれたと思われたが、その暗闇の中で可能性を広げる魔法陣を形成し欠片を捕まえた。
B
「ここどこ?」
「とても静か?」
「僕たちはブラックホールを通り抜けたんだ」
「じゃあ私達間に合わなかったの?」
「いや、ブラックホールに飲み込まれる直前タッチの差で僕たちは欠片を捕まえ、エンジンは復元された」
「宇宙船治ったの?」
「ああ、すべての仲間に変わって礼をいうよ。ありがとう、みんな」
「どこへいくつもりなんだ。君たちは確率すら制御する力を持ちながら、選ぶことを拒絶していた。だから僕は滅びを先延ばししていると」
「確かに君の言うとおりだ、ただしそれは君たちの宇宙での話だ」
「僕達の」
「あそこだ」
「あれが僕達の目的地、次の宇宙だ」
「まさか君たちは宇宙を渡って」
「君たちの宇宙ではだめでも、別の宇宙では別の可能性があるはずだ。僕たちはその希望にかけたんだ」
「希望?」
「ああ、希望があるかぎり僕たちは何度でも宇宙さえ飛び越え旅を続ける。以外だったかい?」
「僕は過去ばかりみて自分を呪い、君たちを巻き込んでしまった」
「それも、もう過去だ。そうそう僕達のキラキラも連れて行くよ」
「やはりだいぶ減っているね」
 ミナトの懐にしまわれていた、病室でつかみとり過去から選ぶときに使われた可能性のかけらをエルナトは取り出した。
※10話のときに
「それなに?」
「一度は人のこころに宿りながら、そこからはじきだされた可能性の結晶さ」

ようするには確定したその人の未来から、はじかれた可能性。だからちいさく結晶となってあつまっている。この6人と関わりのない誰かの欠片。

「そしてこれも」
ミナトの胸元についた星の装飾をおすと変身が解除され、小さなきらきらに変わった。
「それはこの世に生まれることすらなかった生命の可能性」
「そんなぁ。ミナト君はこの子達を救おうとしてくれていたの?」
「ミナトの目的は僕が引き継ぐ。新しい宇宙でなら彼等の輝く未来もあるかもしれない」

事故がおきたことにより、宇宙の理から逃げられなくなった
生死にかかわってしまった
不老不死の魔法の開発なんてスケールもありえる
6話のときの俺の予想は微妙に当たってるようなあたっていないような。
可能性をすべて生かし続ける、しんだものを蘇らせるといったほうがいいね。

「さぁなごりおしいけど出発の時間だ」
「からまっていた運命線もほどかなくちゃならないからね」
プレアデス星人はぐるぐると腕を回しながら、はっきりとしゃぺった。
「君達のおかげで、僕たちは新しい可能性を探す旅にでられる。宇宙の理を越えてまでエンジンの欠片を集めきったんだ。これこそが本当の魔法だよ」
 君たちのなにものにもなれない、たとえなったとしてもそこからまた可能性もたらすことこそが君たちの魔法ってことでいいのかな、たぶん。

「私達これで帰れるんだよね?」
「もちろん。それにちょっとしたお礼もさせてくれ」
「手伝ってくれるかい」
「ああ、引き受けよう」
「どんな姿になっても、僕は君のプレアデス星人だ」
 ななこの胸にとびこむプレアデス星人が語ると、ななこはそのやさしさに目をうるませた。
 別れしてしまうさびしさ、別れたくないという想い、すべてを体験してきた後でさえもその別れが再び訪れるというのは辛いもの。けれどここで悲しい涙をながしたくはない。
 プレアデス星人がやさしく胸に飛び込んできてくれたのと同じように、ななこはやさしくプレアデス星人を抱きとめた。
 プレアデス星人はぬくもりを感じ終えると、ただだまって5人から可能性を弾き飛ばして魔法使いではない、もともとの彼等の世界にいたときの制服に戻した。
 魔法使いではない彼等は、なにものにでもなれるわけではない。けれど自分の中にある可能性を広げて未来を目指せことはできるのだ。
 スバル達が魔法使いでなくなる、プレアデス星人は宇宙船を加速して光の速度でその場をはなれ、次の可能性に満ち溢れた星に向かった。
「さぁ、僕達もいこう」
「行くって?」
ブラックホールの暗闇の世界から一変して、無数に枝分かれした木の枝がどこまでも果てがない宇宙のように広がっている光景がスバル達の目の前に広がった。
「これは地球に生まれたあらゆる生命の運命線から生まれた形だ」
「わけがわからないよ」
「一つの弦が様々な音色を奏でるように、これもまた僕達の宇宙の一つの形なんだ」

生命の語りは宇宙それぞれによって違うからこそ。セフィロンの樹。それもまた形が違うものていう。そうだいな哲学的な光景だからこそ神秘的。

「もしかしてこの中に私達が元いた運命線あるの」
「そう、僕達もこの膨大な可能性の一つでもある」
「太くなったり、細くなったり」
「あそこ途中で終わっている」
「枝分かれが減っているんだ」
「私達は過去に向かっている」
「無数に枝を広げる運命線の連なりも、過去をたどるとたったひとつの点になる」
「それが行き先?」
「そう、すべての可能性の源へ」
彼等は運命線の終着点に向かった。そこはなにもないただ大地と、夕空に照らされた海だけがあった。
「海だ」
「見てあれ!」
頭上にみあげ、今までみたこともない大きさでうかぶ月を見あげた。
「なにあれ? 月!?」
「大昔、月は地球の近くを回っていたから、大きくみえたっていうけど」

ここで原初の地球、月が大きくみえるという科学的な考証がはいるのがいい
このときの地球はまだまだ自転が早いとかもあったなぁ。

「ここにはまだ最初の一つの可能性すら生まれていない。巨大な月が空を覆い、海はようやくできたばかり。まだ一変の生命の欠片すらない、原初の惑星。40億年前のまだなにものでもない地球だ。だからこそ今ここには、あらゆる生命の可能性がある。ここからなら、ここからならどんな行き方を選びなおすことだってできるんだ」

この段階で海があるので正確には微生物はいると思われるが細かい所はね
渦になってあつまり、宇宙空間のものをとりこんでいるかもとか想像のよちはあるしなんでもイイたい放題実際は。けれどまぎれもない原初の惑星には違いない。

「なにになってもいい。どこからやり直してもいい」
「ええ」
「どこからでも」
「それが旅立った彼等からの君たちへの贈り物だ。さぁ、君たちはなにを選ぶ?」
「私は」「私は」「私は」「私は」「私は」
彼等はそのミナトの問いかけに、同じように手を握りながら、同じ言葉を返した。
その行為は、なにものにでもなれる可能性を目の前にした彼女らがお互いの意思を確認するかのように強く固い結びつきだった。
「そうだいすぎて解らない」
「想像できるのは、自分と変わらない女の子」
「なんのへんてつもないありふれた女の子」
「ひかるみたいに、あたまがよかったらいいなとか」
「いつきみたいに、きれいなかみだったらいいなぁとか」
「ななこちゃんみたいに、マイペースでいられたらいいなぁとか」
「あおいちゃんみたいに、しっかりしたいとか」
「すばるみたいに、まっすぐ素直でいられたり思うけど」
「みんなをうらやましく思うのはきっと困っとき、落ち込んだとき、たくさん助けてもらったから」
「完璧なだれかになりたいってことじゃなくて」
「みんながみんなだったから」
「わたしが、わたしだったから」
「いっしょにいられたあの時間」
「だったらわたしは、わたしがいい、そしてそのときそばにいる人の綺麗な所、良いところをたくさんみつけてあげたい」
「私はわたしになる」
 彼等は星の円陣を組んで願い、光り輝く中で伸びる影はそれぞれの道にどこまでも遠くへ伸びていた。彼女達は、元の世界へと『戻る』のではなく、自分の意志で世界を選んで『行く』。
 彼らの決断はまるで暗い宇宙の中で星のようになることのようで、それは悲しくもあったが、とても輝いていることだけは確かだ。
「決めたようだね」
「お前はどうするんだ?」
 アオイにたずねられると、答えをよういしていたかのように首を振る。
 「残された時は少ない、今は自分のことだけを」
 以前のように自暴自棄になってなどいない、すべてを受けいれミナトは納得していた。
 あおいは、そんなミナトの姿をみて信じてよかったと心から思いながら微笑みかけた。
「ああ、ええとその」
「こうゆうときってなんっていったらいいのかな」
「きっと大丈夫。私に戻ってもみんなと出会ってかわれた私なんだもの」
「私は信じてるよ、自分とみんなを」
「せんきゅー、グラアチュエ、メルシー、シェイシェイ、ありがとう」
「みんな大好き」
「私も」
「泣くなよすばる」
「私達変われたかなぁ」
「アブソリュートリー」
「どういうゆう意味」
「きっと、絶対」
「うん!」
最後のぬくもりを感じるために五人は両手を重ねあわせた。
そして彼等はそれぞれの原初の惑星に、それぞれの私になった。

(個人)
ここは私達にも話しかけてくるような感じがよかった。
てぃんくる☆のようにね。

ひかるはなにも言わず手を握りしめた。
いつきは「まだあったかい」と言ってから、涙をこらえ座り込んだ。
あおいはなにも言わず手をポケットの中にしまい「みんな元気で」と涙を浮かべながら言った。
ななこは「アデュー」と告げ、手を握った。
スバルはこぼれ落ちる涙をぬぐった。
目の前にはもう誰もいない。だけどぬくもりだけは感じる。5人はそれぞれのそのぬくもりを大切にした。
「じゃあ私達もいこうか」
 スバルはミナトがいた方向に振り返る。そこにはもう別れたはずのミナトがまだスバルの世界に存在していた。
「ええ」
 なぜいるんだとミナト自身驚いていた。
「ミナト君と私は一緒にいくの」
「僕はただの案内役だ。その役割も、もう終わる」
「私約束したよ。ミナト君を幸せにするって」
 スバルはミナトの前に歩みとり、大丈夫だよと語りかけるかのように手を握った。
「だけど、君の世界に僕の可能性は」
「それでもいくの」
「40億年てどのくらいなのかな」
「なんってことない、ほんの一眠りさ」
「どうしよう、私やっぱり少しこわい」
「大丈夫。僕がずっとそばにいるから」
「私もずっとこのまま起きてるよ。こんどこそ一緒に星を……」
スバルはミナト君の肩によりかかり眠った。
「僕に生きろだなんて君はどこまでも残酷だ」
 太陽と月がお互いにキスをしている幻想的な折り重なりを魅せる地球の神秘的な光景に抱かれていた。それも演出していた夕空もやがて終わり、夜に変わっていく。
 そうやって40億年の長い年月が過ぎ去っていた。
       ☓          ☓            ☓
 すばるはもたれかかったペットから顔をあげる。
「もうこんな時間」
 机の上の壊れたコンパスの上に置かれた、カレンダーは9月を指し示している。
 すばるは9月の会長と出会ったときに戻るのではなく、あのときから進むことで私が私であるその時間に着陸していただのだ。
「これからか?」
「うん、今夜は流星雨だから」
「そうだったよなぁ。よし、だったら送っていくよ。なんなら俺も一緒に」
「ちょっと!」
 スバルの母親は、おせっかいやきの父を静止し、スバルを送り出す。
「いってきます」
「スバルはもう中学生なんだよなぁ」


 壊れたコンパスはミナト君がいたという証拠。

       ☓          ☓            ☓
「あおいちゃん」
 スバルはバス亭から降りてきたあおいとぱたりとあった。
「あおい」「すばる」
「あのね」「どうした」
 息ピッタリに言葉が咬み合ってしまい、会話を上手く切り出せなかった。
「ひさしぶりだね、ときどきこの時間に見かけていたから」
「あのさぁ。ずっとはなさきゃって思っていたんだ。私この制服が着たくて受験決めたんだ。でもそんな理由はずかしくて、すばるにも言えなくて、ごめん」
 あおいはとってもちっぽけな、それでいてあおいらしい理由を素直にスバルに告げた。
「ううん、あおいちゃんの決めたことだから。かわいいね、その制服」
「ありがとう」
「それ望遠鏡」
「うん、今夜ね」
「あおい」
 あおいの友人が放っていかれていることがふにおりず、話し込む二人の中に割って入った。
「だれぇ?」
「友達だよ」
「スバルです、こんにちわ。そうだ、これ良かったら」
 スバルはかばんに閉まっていた今日天体観測を行うことを伝えるためのチラシを配った。」
「流星雨」
「また一緒に星みられるかな」
「ううん」
 あおいは、こんな理由で別々の学校を選んだとしても友達でいられることを嬉しく思いながら頷いた。
 返事を交わすと、あおい達はスバルとは違う道を進み、スバルはその後ろ姿を眺めた。
「いー」
 あおいの友達が威嚇するように歯をみせた。
 あおいをとられたくないからこその行動。そんな意思や想いをくみとっていたからこそ、危機感こそはなかったが、まだまだアオイとは友達でいつづけている。
 そのことを示すかのようにスバルも「いー」と威嚇をした。
 
 夕空の学校につくと風でチラシがそらに待ってしまう。
「な、なんで」
 スバルはチラシがまた飛ばさせないように強くだきしめながら、乱れた髪を整えるため髪を直した。
 その散らばったチラシを知り合いでないひかるや、いつきや、ななこや、その門の付近にあつまってくれていた人が拾ってくれた。
 誰かがいつも私を観ていてくれていることを思い、そのやさしさが素直にスバルは嬉しくなっていた。
「一組の子だよね」
「スバルです」
「流れ星っていつ?」
「今夜だよ」

 この時のいつきの髪型男の子ぽくなっている。王子様のようになれたみたいだ。
 
「へぇ~」
「面白そう」
「よかったら……」
 スバルは集まってきてくれた人達にチラシをくばり、誘った。
 
 チラシをみて集まって来てくれた人と一緒に流星雨をながめながらスバルは思う。
夜空に浮かぶ星達は、一人ぼっちのさびしさと巡りあうよろこびを繰り返して、長い時の中をすれ違っていきます。
今日の予報は流星雨、星空をみあげていると今はまだ出会えていないどこかのだれかのことを、ふと思ってしまいます。
その誰かも同じようにこの星空をみあげていて、星たちは宇宙からそんな私達の姿を見守っていてくれるはずです。待っててね。